客付けと元付け
不動産会社
今回は不動産関連の情報をご覧になっているとたびたび目にする
「客付け」と「元付け」という言葉についてご紹介します。
不動産屋に種類があるの?と思われる方も多いと思いますが、
いざ内見に行ってみたら2人の仲介業者が出てきて疑問に思う方も。
不動産の業務の流れを示した下の図を参考にしながら、
客付けと元付の違いを確認しましょう。
借主 → 物件探しの依頼 → 仲介業者A → 情報 ← 仲介業者B ← 物件の募集依頼 ← 貸主・オーナー
客付け業者と元付け業者
上の図の場合、
仲介業者A:借主(お客様)のもとで物件をお探しする → 客付け業者
仲介業者B:貸主(オーナー)の依頼で物件の募集を行う → 元付け業者
となります。
この場合は2つの不動産会社が関係していましたが、
下の図のように1つの不動産会社のみが関係する場合もあります。
借主 → 物件探しの依頼 → 仲介業者C ← 物件の募集依頼 ← 貸主・オーナー
このように1つの不動産会社しか間に立っていないケースも多くみられます。
このケースでは、
仲介業者C:客付け業者と元付け業者の2つの役割を兼任
となります。
それでは「客付け業者」と「元付け業者」にはそれぞれどんな特徴があるのか見ていきましょう。
不動産会社をお探しの際には、その業者が
「客付け」を得意としているのか、「元付け」を得意としているのかも判断材料の1つになります。
以下に役割や特徴をまとめます。
客付け業者
特徴:広く浅く多くの物件の情報を取り扱っており、
用途や業種にあった物件をしっかりと見つけてくれる。
また、物件のご紹介後は関わりがなくなってしまい、
入居後のサービスに関しては期待できない。
役割:お客様に物件のご案内・条件などのヒアリング
↓
条件に合う物件の検索
元付業者に確認・内見の日時を設定
↓
内見・物件の案内
(事業用物件の場合は現地集合が多いです)
元付け業者
特徴:物件や周辺環境の様々な情報を知っていることが多く、
入居後のサービスも充実していることが多い。
(設備の不具合や用途などを相談できる)
役割:客付け業者からの連絡を受けオーナーに連絡
↓
物件の鍵の準備・内見の日時を設定
↓
客付け業者の内見にオーナーとともに帯同
↓
物件にご満足いただけた場合は、申し込みや契約
↓
ご提出いただいた書類等をオーナーと審査
↓
ご入居いただいた場合は、入居後のアフターフォローなど
まとめ
客付け業者:元付け業者に物件を探しているお客様を紹介することで収入を得ている。
そのため、広い範囲の物件の情報を取り扱っています。
お客様のニーズに合った物件をヒアリングを通して把握し
多くの物件の中から最適なものを見つけ出します。
元付け業者:地域密着で周辺の情報やオーナーとも親密であることが多い。
頻繁に連絡を取っており、賃料の相場などにも詳しい。
また、オーナーに物件の募集を任されているため、
内装やほかの入居者についての情報を持っている。
今回は「客付け」と「元付け」の違いについてご紹介させていただきました。
不動産屋の中ではこの立場が頻繁に入れ替わることも多く、
「客付け」を得意としている会社、「元付け」を得意としている会社はあれど
どちらかの役割を専業として行っている会社はございません。