地下物件ってデメリットしかないの?
地下物件の種類
そもそも地下にある物件ってどんなものがあるのでしょうか、地下の物件には大きく「全地下タイプ」、「半地下タイプ」、「ドライエリアタイプ」が存在します。
・全地下タイプ
部屋全体が地下に埋まっているタイプです。遮音性や断熱性に優れ、室温も安定しています。
地震にも強く、衝撃や振動にも影響を受けにくいことがメリットです。
・半地下タイプ
名前の通り部屋の半分が地下にある物件です。
地下タイプと同様に遮音性、断熱性等に優れています。また、物件によっては日差しも入り開放感のあるものもあります。
全地下タイプと半地下タイプはどちらも「地階」に分類されますが、全地下タイプは天井が地盤面よりも下にあります。対して半地下タイプは部屋の一部が地上に出ています。
・ドライエリアタイプ
開口エリアがあるタイプの地下物件です。建物の周囲の地面を掘って中庭のようなスペースが存在します。地上と空間的に繋がりがあるため、地上階と同じような環境をつくりだします。
デメリット
はじめにデメリットをご紹介します。湿気や結露など対策をすれば、防ぐことが出来る点もありますが、日当たりの悪さや浸水被害など、どうしても対策出来ない点もあります。
・日当たり、湿気
地下になると勿論窓がないため光の入りがほとんどありません。
薄暗い空間になる可能性があります。
また、窓がないことは換気が出来ずに湿気がこもる原因をつくりだしています。
雨の多い時期は勿論、カビ対策のため年中除湿機は必須です。
・浸水
トイレが道路よりも低い場所にある場合下水の逆流が生じることがあります。
また、地下水の水位が上昇して、壁に浸水する可能性もあります。一度浸水すると壁紙の取り換えなど、修繕が必要になるので、排水溝の定期的な清掃が欠かせません。
・結露
温度が比較的に一定していることがメリットとして挙げられますが、結露を発生させる可能性があります。地下の室内と室外の温度差によるものになります。夏は出来るだけ外気を取り入れないことが対応策です。
・視認性
ファサードが奥まった所にあり、認知しにくいことがあります。また、地下階までの階段が薄暗く、入店しずらい雰囲気を与えてしまいます。
メリット
デメリットを先ずご紹介させて頂きました。懸念点も多くありますがメリットもあります。
予算や利用方法によっては最適な物件になるかもしれません。
・賃料
路面店や2階部分の店舗と比べると物件次第ではありますが、賃料が抑えられます。
視認性等気になる方もいらっしゃると思いますが、賃料は抑えたいという方は是非地下の物件も検討してみてください。
・日当たり
日当たりの悪さは先程説明したように一見デメリットですが、店舗によっては直射日光が入らないというメリットにもなりえます。商品が色褪せたり、傷んだりすることを防ぎます。
・遮音性、振動
壁で覆われているため音漏れがありません。ライブハウスやカラオケは勿論、
最近では外の騒音も聞こえにくいので作業に集中できるという理由から、オフィス空間としても地下の物件は注目されています。
また、振動や衝撃にも影響を受けにくいこともメリットの一つです。
・室温
前述したように地下物件は室温が比較的に一年中安定している点もメリットです。
外気温にほとんど左右されないためエアコンや空調等の使用率も下がり、コストダウンにも繋がります。
業種、業態を踏まえて選択してみよう
メリットとデメリットについてご紹介させて頂きました。一般的な飲食店や物販店には適しているとは言えませんが、ファサードや看板を工夫して視認性を得ることや、地下までの階段部分に照明を設置して入りやすい雰囲気をつくりだすこと、お店の発見率をあげることなど対応すれば飲食店や物販店にも適した空間にすることができるかもしれません。
音漏れが少ないことからライブハウスやカラオケ、スタジオ、ダンススクール等業務上音や振動がでる業種については適していると言えます。また、視認性を必要としない会員制の飲食店、バーなどにも適しています。ターゲット層を絞り地下の物件を選択することが重要です。
まとめ
今回は地下物件についてご紹介させて頂きました。
マイナスなイメージを持つ方も多いと思いますが、業種や業態によっては適した空間をつくりだすこともあります。メリットとデメリットを考え、地下にある物件を選択肢の一つにすることも良いかもしれませんね。