表示規約の改正について
不動産広告
今回は、2022年9月1日に改正された表示規約についてご説明いたします。
表示規約とは、不動産に関するルールです。
そもそも不動産広告は2つの法令と1つの規約によって規制されています。
❶景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)
❷宅建業法 (宅地建物取引業法)
❸表示規約 (不動産の表示に関する公正競争規約)
今回改正されたのは、❸表示規約になります。
規制を受ける物件は?
表示規約の対象となるのは、居住用の物件です。
宅地…宅地建物取引業法第2条第1号に定めるもの
建物…土地に定着し、屋根及び周壁を有する工作物であって、主として居住の用に供されるものをいい、
賃貸アパートその他の貸室等建物の一部を含むもの
事業用物件は規制対象外となりますが、居住用物件に準拠して表示規約のルールに即した広告をすることが推奨されています。
改正ポイント①
では今回の改正によってどのように変更されたのか見ていきましょう。
今回は大きく3つのポイントをお伝えします。
所要時間や道路距離の記載
マンションやアパートなどの場合、建物の出入り口を起点として駅や周辺施設までの時間や距離を表示することが明文化されました(規約第9条第7号)。
これまでは敷地のもっとも近い地点を帰着点として計算することが可とされていましたが、マンションの敷地が大きい場合、広告に表示された時間と実際にかかる時間は大きく異なってしまいますよね…
今回の改正によって、実際にかかる時間(距離)により近い数字が表示されるようになりました。
また、大規模マンションなど出入り口が複数ある場合は、サブエントランスを起点とすることも可能です。
改正ポイント②
最も近い区画と遠い区画からの所要時間
これまで販売戸数等が2以上の分譲物件については、販売中の住戸(区画)で最も近い物件の所要時間を表示していることがほとんどでした。
しかし今回の改正により、最も近い住戸のほか、最も遠い住戸の所要時間または道路距離を併記することが必要になりました(規約第9条第8号)。
改正ポイント③
乗り換えの所要時間
「乗り換えを要するときは、その旨を明示すること」と規定していましたが、「乗り換えを要するときは、その旨を明示し、所要時間に乗り換えに概ね要する時間を含めること。」に変更されました(規約第9条第4号エ)。
今までよりも、実際の通勤・通学のイメージが湧きやすくなりましたね。
まとめ
不動産広告は物件探しをするときだけではなく、街を歩いているときやインターネットを使っているときなど、あらゆる場面で目にするものです。
「どのようなルールにより広告がなされているのか」考えながら広告を見るのも面白いと思います。
また今回のルールを踏まえて、おとり広告に騙されないように注意しましょうね。
※今回使用した画像は、不動産公正取引協議会「表示規約・同施行規則の主な改正点を解説したリーフレット」より引用しております。